企業のビジネスがITに強く依存する現在、不測の事態が発生しても事業を継続させるには、最低でもビジネスに関係するデータを消失しないことが必要不可欠となっています。
データを保護する重要性は、従来より誰もがその必要性を認識しており、市場にはさまざまなデータバックアップ製品・サービスが存在し、多くの企業に導入されています。
しかし、近年、東日本大震災とその後の電力不足により、従来の仕組みでは不十分であることが明らかになっています。なぜなら、従来のバックアップは、主にハードウェアやソフトウェアの障害対策を想定したものであるためです。
ハードウェアやソフトウェアに起因する障害であれば、同じロケーションにバックアップしておいたデータから復旧することが可能です。しかし地震や火災といった災害の場合、オフィスごと・事業所ごと破壊される可能性があります。
「うちは大丈夫だ」と思う方もいるかもしれませんが、煙草の火にスプリンクラーが反応してしまい、水ぬれによってバックアップサーバが故障する可能性もあり、立派な「災害」のケースとなりえます。
災害対策というと、従来は大企業に求められる取り組みと考えられがちでしたが、データの価値は、企業規模によって変わるものではなく、むしろ日々の業務データがすぐに収益に直結する中堅中小企業のほうが、情報への依存度が高いといっても過言ではありません。
多くの企業は、ある程度のデータ保全対策を実施されていますが、災害時のデータ復旧までも視野に入れ環境を整えている企業はそう多くはありません。
震災後にIT系企業に対する調査において、実際に企業が受けた影響を見てみると、実に「6割近くが現在のBCPが十分に機能していない」と感じており、さらに「7割がサーバ停止などをそのリスクと感じている」結果がでています。そのため、それに対するBCP対策として「6割が災害対策の施されたデータセンターへデータのバックアップを検討している」調査結果となっていました。